














清澄白河にオープンしたスタンディングワインバー「Ball」の平面計画及び特注キッチンカウンター,食器棚などを設計した。
小さな規模だからこそのライブ感やスピード感を感じられるような家具計画を、店主と共に緻密な話し合いのもと考えていった。
メインとなるカウンターはキッチンを囲む一体的なレイアウトとし、スタンディングでも疲れにくく居心地の良い断面寸法,端部の処理を心掛けた。
飲食店のスタンディングカウンターではほぼ必ず必要となってくる荷物掛けのフックを、ここではカウンターを形成する特有の要素と捉え、後から付けるのではなく天板を支える構造材の一部として設計し、それが人の自然な配置を促すサインとしての役割も持たせている。
また、キズのつきやすい腰壁の角と巾木には広葉樹の無垢材を使用することで経年によるキズを目立たなくし、それが本体の針葉樹合板の荒々しさを抑える輪郭となっている。
本来カウンターはその用途と構造的理由から表情を出しにくい(意匠的な解決になりやすい)家具であるが、ここでは使い勝手と構造がうまく溶け合った表情豊かなカウンターが出来たように思う。